もう、十数年前になりますが、ママたちの間で、公園デビュー、という言葉がやたらと使われていた時期がありましたね。そう、子どもが公園で遊ぶくらいの年齢になったとき、いっしょにママも公園へ行くのですが、公園にはすでにベテランママたちがいるのです。
そして、ママはその輪の中に入らないと孤立してしまう。
たかが子どもを公園で遊ばせるだけなのに、そこにはルールみたいなものが、しっかりとできあがっている。
これでは子どもも楽しめませんよね。
あっ、これは私のカミさんの話です。
ママ友との付き合い方
いま、現代社会に生活しているママたちのすべてが、ママ友の付き合いで苦労しているというわけでもないのかもしれませんが、大概、こういうしがらみの中で生活していることは確かでしょう。
公園デビューから始まって、幼稚園、小学校、中学校、高校、そして今は大学や社会人一年生になっても、こうした悩みを抱えるママはいるのです。
ママ友の苦労を知らないパパたちは、そういう話を耳にしてもおそらくピンとこないのかもしれない。
ママにとってはものすごく重大なことなんですけど。
友だちをつくるときにもママの助言がいる時代
うちのカミさんの場合、子どもが幼稚園を卒園するまではそれほど問題はなかったようです。
子どもも何事もなく育っていきました。
そして、晴れて小学校に入学したわけです。
しかし、問題はそこにあった。
昔から言われていることなんですが、子どもは自然に自分の友だちをつくっていくもので、親からの手助けを必要としない、本来は。
でも、現代は違いますよね。
子どもが友だちをつくるときにも、あれこれと助言をする。
もう、心配でしょうがない。そういうママが実に多いのです。
こんなことがありました
前置きが長くなってしまいましたが、これは息子が小学校一年のときです。
入学して最初に仲よくなった友だちがいました。
その子はものすごくおとなしく、何をするにも息子のそばから離れないと言うのです。
これには息子も困ってしまい、他の友だちとも遊びたいのに、その子がどうしてもイヤだと言ってきかないんだそうです。
そういう子どもが増えているのでしょうか。
息子は家に帰ってくるといつも愚痴をこぼしていましたね。
それで、ついに息子はその子がイヤがるのをムリに他の仲間たちの中へ入っていったんです。
うちの子だけを見ていてほしい
それからすぐです。
その大人しい子のママからカミさんに電話がかかってきて、学校でそういうことがあった、という報告を受けたんです。
とりあえず、カミさんは子どもによく言って聞かせますと謝ったんですが、そのママが次に発した言葉にカミさんも唖然としてしまいました。
うちの子はお宅の息子さんのことを大好きなんです。
他の友だちとは遊びたくないと言ってるんです。
どうか、うち子だけを見ていて欲しい、と平然と言ったというのですね。
これには驚きました。
カミさんがとった手段とは
もちろん、息子にそんなことをさせるわけにもいきません。
カミさんは息子には何も言わず、ただ普通にその子と接しなさいと言っただけでした。
数日後、街角でそのママに出会したとき、カミさんが挨拶しても何食わぬ顔でスルーされたそうです。
そして、電話も二度とかかってきませんでした。
これが良かったのか悪かったのか分かりませんが、少なくとも息子には何の弊害も生じませんでした。
それが何よりです。
全く同じクレームを元ママ友から言われました。その方はとても強烈な粘着依存型で、二人目を産むタイミング、我が家の年収やローンの頭金など、断ってもしつこく詮索してきました。
こちらの行くところに付いてきては私達親子が他の人と仲良くすることに嫉妬し、割り込んできました。
彼女は行く先々で他人とトラブルを起こすのですが、自分に全く非はなく、自分はいつも被害者だと思い込んでいました。
でも周囲に敵ばかりなのは辛いので、自分たち親子を庇護してくれる理解者が欲しくて私達に白羽の矢をたてたのだそう。そして「私達親子以外の友達をつくるな。あなたの子供は私の子供を守る役目があるのよ。もっと愛情をもって私達を見ろ」と要求してきました。
はっきりと「いつもべったりと付いてこられてずっと不快だった。あなたを否定しないが我が子にはいろいろな子供と付き合う権利がある。あなたを攻撃する気はないが仲良くできない。あなたからの誘いもいらないし、こちらに付いても来ないでほしい」と。
それからもしばらく子供を盾にしながら付きまといがありましたが、第三者に協力してもらい、ようやく逃げ切れました。
もう二度と関わりなくありません。